「隠されたUMAたち (Northern adventure of Sinbad)」
(NHKスペシャルのテーマ)


ナレーション
「今、ロシアでは、かつての外交機密文書の公開が進んでいます。第1回 国内政治と外交、第2回 戦争と兵器、に続く今回、第3回は ロシア外交文書の中に眠っているUMA、すなわち未確認動物について探ります」
取材ディレクターの声
「ズドラーストヴィチェ(こんにちは)」

ロシア外務省担当官
「こんにちは。日本の放送局の方ですね。ようこそいらっしゃいました・・・」
取材ディレクターの声
「この写真について知りたいのですが・・・」


ロシア外務省担当官
「これは通称「Северный дракон (北のドラゴン)」と呼ばれている写真です。撮影されたのは、そうスターリンが亡くなった年ですから、今から60年前になります・・・。残っている写真はこれだけで・・・。そうそう最近になって、撮影した人物がわかったのです・・・実は・・・」
ナレーション
「この写真を撮った人物が生きている。我々は早速、その人物に面会することとした。写真を撮ったのはイワン・イワノヴィッチ・イワノフ。現在はモスクワ郊外で余生を過ごしている」

イワン・イワノヴィッチ・イワノフ
「よくこの写真がありましたね。私も見るのは初めてです。何しろ、あの航海が終わってフィルムを提出して、ちょうどあの頃スターリンが死んだでしょう。あのごたごたで、私も配属が変わりましたし・・・。でも、この写真を撮った時のことはよく覚えていますよ」
ナレーション
「イワノフ老人は、一つ一つ言葉を選びながらゆっくりとした口調で語ってくれた・・・」

イワノフ老人の声
「私は当時、ソビエト海軍に所属していました。所属は黒海艦隊 艦隊司令部付き 海洋調査部。一兵卒で自分が何をするのか、どうなるのか、まるでわかりませんでした」

イワノフ老人の声
「そしてあれは、北方航路の調査の航海の時でした・・・」
ナレーション
「北方航路の調査・・・。この航海の目的は、現在では、アメリカ本土に核ミサイルを撃ち込むための潜水艦の補給基地およびルートの調査だったことが知られている」

イワノフ老人の声
「それは、かなり極地に近づいた頃、深い靄の中を進んでいたときのことでした。甲板に出た戦友たちが、口々に暖かいぞって叫ぶのを聞きました。私もあわてて甲板に出ると、確かに暖かく、気の早い戦友たちは防寒コートを脱いでいました。私たちは、そこに小さな島を見つけ、急遽、上陸することになったのです・・・。そこは不思議な島でした。磁気羅針儀や方位磁石は役に立ちませんでした。雪山と緑の森が混在していて、時折、蒸気を噴き出す山がありました・・・」

イワノフ老人の声
「1時間も歩いた頃でしょうか、私の上官、ニキチンが突然叫んだのです『あれを見ろ!』と」

イワノフ老人の声
「もうもうと立ちこめる蒸気の向こうからひとつめの怪物が飛び出してきたのです」

イワノフ老人の声
「そして、その一つ目巨人の叫び声に応えるかのように、今度はドラゴンが現れたのです」

イワノフ老人の声
「やがてドラゴンは一つ目巨人ドラゴンに向かって突進していったのです」

イワノフ老人の声
「もうもうたる砂埃を舞上げ、2体の怪物はとっくみあいを始めました」

イワノフ老人の声
「そして、一つ目の巨人は、その大きな腕をドラゴンに向かって振り下ろそうとしました」

イワノフ老人の声
「が、ドラゴンの素早さの方が勝っていた・・・。素早く一つ目巨人の腕をかわすと、振り下ろされた腕の付け根に噛みついたのです」

イワノフ老人の声
「そして、そのまま一つ目巨人の上に乗っかったドラゴンは、巨人の急所めがけて、何度も、そのするどい牙を突き立てました」

イワノフ老人
「どのくらいの時がたったのでしょう。ドラゴンの咆吼でで、私は我に返りました」

イワノフ老人
「一緒にいたニキチンも同じだったと見え、かすれた声で「早く、早く撮影するんだ」と私に怒鳴りました。私も慌ててフェド(ライカをコピーしたソビエット製のカメラ)を構えました」

イワノフ老人の声
「ですが、手が震えてうまく撮れません・・・。その間に、戦いに勝ったドラゴンは悠々と引き上げていきます」

イワノフ老人の声
「そして、かろうじて撮れたのがあの1枚だったというわけです」

イワノフ老人の声
「私たちは船に戻りましたが、私たちの話を信じてくれるものはいませんでした。船に乗っていた軍医は過労とビタミン不足による集団幻覚だったのだろうと言っていました」

イワノフ老人
「セバストポリ軍港に着く少し前のことだったでしょうか、スターリンの死を知りました。やがて我が国はアメリカのすぐそばに、キューバという友好国を得、スターリンの指示で始まったあの北方航路開拓は取りやめになりました・・・。私もその後・・・」
ナレーション
「現在でも、この写真は本物であるという説と、1960年代から70年代にかけて発売された日本製のおもちゃを撮影したものだという二つの説があり、未だ決定的な確証は得られていない・・・」
≪おしまい≫
<レイ・ハリーハウゼン追悼企画>、ならびに、、<レイ・ハリーハウゼン追悼企画第2弾>の撮影をしている時に、その場で思いついたお話でしたが、いかがだったでしょうか。
撮影していて思ったのは、軍隊が太古の生き物の住む島に迷い込んでしまうと映画「恐竜の島」みたいってことでした。
あまり評判になることのないこの映画「恐竜の島」。
子供の頃のボクの好きなもの、すなわち、恐竜に軍隊が一緒に出てくるこの映画はボクのお気に入りの一つです。
劇場公開時に見て、パンフもとってあります。確か春休み映画だったような・・・。
中でもスティラコサウルスの頭の飾りを、Uボートの上に備え付けられている単装砲で吹っ飛ばすシーンが印象的でした。(ちょっとかわいそうだけど)
DVDも出ているみたいなのですが、古いもののようです。
夏休みにもなることだし、CATVで続編の「続・恐竜の島」と一緒に放映してくれないかなぁ。
話のもとネタはこの辺にして、何で出てくるのがソビエト海軍かというと、収蔵庫の手前にいたから・・・っていうのがその理由ですね。ドイツ海軍の水兵さんもいるけれど、こちらはあまり水兵さんぽくないし。
このコンビであります。
また、この一連の画像は5月に撮影したものですが、PCの買い換えなどもあり画像加工に手間どってしまい、公開が遅くなってしまいました・・・。


ナレーション
「今、ロシアでは、かつての外交機密文書の公開が進んでいます。第1回 国内政治と外交、第2回 戦争と兵器、に続く今回、第3回は ロシア外交文書の中に眠っているUMA、すなわち未確認動物について探ります」
取材ディレクターの声
「ズドラーストヴィチェ(こんにちは)」

ロシア外務省担当官
「こんにちは。日本の放送局の方ですね。ようこそいらっしゃいました・・・」
取材ディレクターの声
「この写真について知りたいのですが・・・」


ロシア外務省担当官
「これは通称「Северный дракон (北のドラゴン)」と呼ばれている写真です。撮影されたのは、そうスターリンが亡くなった年ですから、今から60年前になります・・・。残っている写真はこれだけで・・・。そうそう最近になって、撮影した人物がわかったのです・・・実は・・・」
ナレーション
「この写真を撮った人物が生きている。我々は早速、その人物に面会することとした。写真を撮ったのはイワン・イワノヴィッチ・イワノフ。現在はモスクワ郊外で余生を過ごしている」

イワン・イワノヴィッチ・イワノフ
「よくこの写真がありましたね。私も見るのは初めてです。何しろ、あの航海が終わってフィルムを提出して、ちょうどあの頃スターリンが死んだでしょう。あのごたごたで、私も配属が変わりましたし・・・。でも、この写真を撮った時のことはよく覚えていますよ」
ナレーション
「イワノフ老人は、一つ一つ言葉を選びながらゆっくりとした口調で語ってくれた・・・」

イワノフ老人の声
「私は当時、ソビエト海軍に所属していました。所属は黒海艦隊 艦隊司令部付き 海洋調査部。一兵卒で自分が何をするのか、どうなるのか、まるでわかりませんでした」

イワノフ老人の声
「そしてあれは、北方航路の調査の航海の時でした・・・」
ナレーション
「北方航路の調査・・・。この航海の目的は、現在では、アメリカ本土に核ミサイルを撃ち込むための潜水艦の補給基地およびルートの調査だったことが知られている」

イワノフ老人の声
「それは、かなり極地に近づいた頃、深い靄の中を進んでいたときのことでした。甲板に出た戦友たちが、口々に暖かいぞって叫ぶのを聞きました。私もあわてて甲板に出ると、確かに暖かく、気の早い戦友たちは防寒コートを脱いでいました。私たちは、そこに小さな島を見つけ、急遽、上陸することになったのです・・・。そこは不思議な島でした。磁気羅針儀や方位磁石は役に立ちませんでした。雪山と緑の森が混在していて、時折、蒸気を噴き出す山がありました・・・」

イワノフ老人の声
「1時間も歩いた頃でしょうか、私の上官、ニキチンが突然叫んだのです『あれを見ろ!』と」

イワノフ老人の声
「もうもうと立ちこめる蒸気の向こうからひとつめの怪物が飛び出してきたのです」

イワノフ老人の声
「そして、その一つ目巨人の叫び声に応えるかのように、今度はドラゴンが現れたのです」

イワノフ老人の声
「やがてドラゴンは一つ目巨人ドラゴンに向かって突進していったのです」

イワノフ老人の声
「もうもうたる砂埃を舞上げ、2体の怪物はとっくみあいを始めました」

イワノフ老人の声
「そして、一つ目の巨人は、その大きな腕をドラゴンに向かって振り下ろそうとしました」

イワノフ老人の声
「が、ドラゴンの素早さの方が勝っていた・・・。素早く一つ目巨人の腕をかわすと、振り下ろされた腕の付け根に噛みついたのです」

イワノフ老人の声
「そして、そのまま一つ目巨人の上に乗っかったドラゴンは、巨人の急所めがけて、何度も、そのするどい牙を突き立てました」

イワノフ老人
「どのくらいの時がたったのでしょう。ドラゴンの咆吼でで、私は我に返りました」

イワノフ老人
「一緒にいたニキチンも同じだったと見え、かすれた声で「早く、早く撮影するんだ」と私に怒鳴りました。私も慌ててフェド(ライカをコピーしたソビエット製のカメラ)を構えました」

イワノフ老人の声
「ですが、手が震えてうまく撮れません・・・。その間に、戦いに勝ったドラゴンは悠々と引き上げていきます」

イワノフ老人の声
「そして、かろうじて撮れたのがあの1枚だったというわけです」

イワノフ老人の声
「私たちは船に戻りましたが、私たちの話を信じてくれるものはいませんでした。船に乗っていた軍医は過労とビタミン不足による集団幻覚だったのだろうと言っていました」

イワノフ老人
「セバストポリ軍港に着く少し前のことだったでしょうか、スターリンの死を知りました。やがて我が国はアメリカのすぐそばに、キューバという友好国を得、スターリンの指示で始まったあの北方航路開拓は取りやめになりました・・・。私もその後・・・」
ナレーション
「現在でも、この写真は本物であるという説と、1960年代から70年代にかけて発売された日本製のおもちゃを撮影したものだという二つの説があり、未だ決定的な確証は得られていない・・・」
≪おしまい≫
<レイ・ハリーハウゼン追悼企画>、ならびに、、<レイ・ハリーハウゼン追悼企画第2弾>の撮影をしている時に、その場で思いついたお話でしたが、いかがだったでしょうか。
撮影していて思ったのは、軍隊が太古の生き物の住む島に迷い込んでしまうと映画「恐竜の島」みたいってことでした。
あまり評判になることのないこの映画「恐竜の島」。
子供の頃のボクの好きなもの、すなわち、恐竜に軍隊が一緒に出てくるこの映画はボクのお気に入りの一つです。
劇場公開時に見て、パンフもとってあります。確か春休み映画だったような・・・。
中でもスティラコサウルスの頭の飾りを、Uボートの上に備え付けられている単装砲で吹っ飛ばすシーンが印象的でした。(ちょっとかわいそうだけど)
DVDも出ているみたいなのですが、古いもののようです。
![]() | 恐竜の島 [DVD] (2000/04/25) ダグ・マクルーア 商品詳細を見る |
夏休みにもなることだし、CATVで続編の「続・恐竜の島」と一緒に放映してくれないかなぁ。
話のもとネタはこの辺にして、何で出てくるのがソビエト海軍かというと、収蔵庫の手前にいたから・・・っていうのがその理由ですね。ドイツ海軍の水兵さんもいるけれど、こちらはあまり水兵さんぽくないし。
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公害怪獣スモガ(TARGET EARTH )
平成25年4月末にメディコム・トイより発売されたTARGET EARTH製の“公害怪獣スモガ”です。

当ブログでは、一足早く、フォトストーリー「写真物語 公害怪獣 スモガ 大暴れの巻」として登場させちゃいましたが、改めてご紹介したいと思います。
発売元のメディコム・トイによると、このスモガ「1970年代に有井製作所からリリースされた幻の公害怪獣シリーズ第2弾!」となっています。
有井製作所といえば、ボクにとってはプラモデルのメーカーのイメージが強く、メディコム・トイの説明にある有井製作所からリリースとは、「公害怪獣スモガ」のプラモデルが発売されていたことを意味しています。
商品のヘッダーに描かれている絵が、そのプラモデルの箱絵で、これを見ていると、ああ、これあったなぁ、と思い出されてきますから、この商品に限らず、箱絵の威力はすごいものだと感じます。
その箱絵の魅力を再現しようといろいろ撮影してみました。

時あたかも、大陸からの汚染物質を含んだ大気が我が国に押し寄せていたこともあり、そういう意味では、時宜にかなった発売ともいえると思います。

目の感じや縦になっている口、鼻のような牙(?)と、公害怪獣3体の中でも、ひときわ異彩を放つ存在です。

フォトストーリー「写真物語 公害怪獣 スモガ 大暴れの巻」に使われている画像のバージョン違い、どこが違うか、わかりますか?

夕日を背景にすると「帰ってきたウルトラマン」の怪獣に見え・・・ないですかね。

そんなわけで、
「空気をきれいにしましょうね」
と、夢美ちゃんとスモガからのお願いでした。

当ブログでは、一足早く、フォトストーリー「写真物語 公害怪獣 スモガ 大暴れの巻」として登場させちゃいましたが、改めてご紹介したいと思います。
発売元のメディコム・トイによると、このスモガ「1970年代に有井製作所からリリースされた幻の公害怪獣シリーズ第2弾!」となっています。
有井製作所といえば、ボクにとってはプラモデルのメーカーのイメージが強く、メディコム・トイの説明にある有井製作所からリリースとは、「公害怪獣スモガ」のプラモデルが発売されていたことを意味しています。
商品のヘッダーに描かれている絵が、そのプラモデルの箱絵で、これを見ていると、ああ、これあったなぁ、と思い出されてきますから、この商品に限らず、箱絵の威力はすごいものだと感じます。
その箱絵の魅力を再現しようといろいろ撮影してみました。

時あたかも、大陸からの汚染物質を含んだ大気が我が国に押し寄せていたこともあり、そういう意味では、時宜にかなった発売ともいえると思います。

目の感じや縦になっている口、鼻のような牙(?)と、公害怪獣3体の中でも、ひときわ異彩を放つ存在です。

フォトストーリー「写真物語 公害怪獣 スモガ 大暴れの巻」に使われている画像のバージョン違い、どこが違うか、わかりますか?

夕日を背景にすると「帰ってきたウルトラマン」の怪獣に見え・・・ないですかね。

そんなわけで、
「空気をきれいにしましょうね」
と、夢美ちゃんとスモガからのお願いでした。
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