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    アントラー【M1号:マルサン 復刻 ブラウン成型色/特別カラー版】

    磁力怪獣アントラーと言えば、特撮テレビ番組「ウルトラマン」の初期に登場し、ウルトラマンを苦しめた怪獣で、「ウルトラマン」本編の1週間前に放映された特別番組「ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生」にも登場した人気怪獣でもあります。

    その磁力怪獣アントラーが、この夏、ウルトラマン誕生50周年に合わせて、M1号さんよりマルサン復刻版ということで発売されました。

    アントラー01

    おもちゃ、特にソフビ怪獣は、ことあるごとに“○○限定版”等ということで発売されることが多くなっています。そのあたりは原型、金型の制作費の回収という商業上の視点もありあながち否定するものではありませんし、むしろバリエーションが増えて楽しいととらえることもできるでしょう。

    ただボクが今回、この磁力怪獣アントラーを入手したかったのは別の意味があったからです。

    それは…。




    磁力怪獣アントラーの魅力は先にも触れたとおり、特撮テレビ番組「ウルトラマン」の初期すなわち第7話「バラージの青い石」に登場したこともあり、各種媒体に多く採り上げられていたこともあります。

    また登場した第7話「バラージの青い石」のお話が、日本が舞台でないこと、初めて他国の科学特捜隊員が出てきたこと、ウルトラマンの祖先(?)がすでに地球に来訪し、地球人のために戦っていたことが想像されることなどが描写され、その「ウルトラマン」の世界を大きく広げるものとなっています。

    そして何より、お話がスタートして7話目に登場したこの磁力怪獣アントラーが“ウルトラマンの必殺技であるスペシウム光線が効かない”という特性をもっており、そのために“ウルトラマンの攻撃以外の手段で倒される”初の怪獣となっています。

    アントラー02

    そんな磁力怪獣アントラーですが、実はおもちゃ的にも魅力あふれる怪獣なのです。

    それは倉治隆さんによる研究資料「怪獣玩具」も記載されているとおり「ウルトラマン」放映当時、最多の可動部位を持つ怪獣だったからです。
    当時発売されていた一般的なソフビ怪獣は、首、左右の手足と基本的には5ヶ所が可動します。
    まれに尻尾が動く怪獣もおり、それで6ヶ所の可動となります。

    ところがこのソフビの磁力怪獣アントラーは首、左右の手足に加えて左右の大あごの7ヵ所が可動する怪獣となっています。

    お話は今から約28年程前にさかのぼります。

    地方から進学のために上京したボクたち。
    当時はインターネットもなく、まんだらけも古川益三さんが店舗でレジ打ちをしているという状況でした。

    そんな中、雑誌「宇宙船」(※当時は朝日ソノラマ発行)に掲載された広告を頼りに、下北沢を中心とした“アンティーク・トイショップ”によく出かけていました。

    学生のことでしたから、それほど高価なものは買えなかったのですが、先日、メディコムトイから復刻版の販売が無事完了した“亀マークのタイガーマスクソフビシリーズ”、私が時折当ブログで紹介している“バンダイのスタンダードサイズ ショッカー怪人”等は、なんとか購入できた時代でした。

    そして学生生活が終わりを告げるとき、それはそれぞれが仕事の道に進む時だったのですが、親友のFくんが記念にと購入したのが、この磁力怪獣アントラーでした。

    購入のきっかけは、先に挙げたストーリー上の、そしておもちゃとしての磁力怪獣アントラーの魅力だとFくんは言っていました。

    生前のFくんの自宅にお邪魔することはそれほど多くなかったのですが、その部屋に飾られていたのが、その時に買った磁力怪獣アントラーでした。

    そんなわけで“ウルトラマン50周年”そして“Fくんの1周忌”が重なった年に、思い出の磁力怪獣アントラーが復刻されたのも、不思議な縁と思い、購入するに至ったわけです。




    中近東の砂漠に生息する“磁力怪獣アントラー”は別名“蟻じごく怪獣”とも呼ばれています。

    一説によると5000年前から存在していると言われ、昆虫アリジゴクのような巣穴を堀り、そこの近くを獲物が通りかかるのを待ち構えています。

    アントラー03

    ひとたび獲物が通りかかるや、大あごの間から七色の“磁力光線”を発射し、獲物を引き寄せて捕らえます。

    アントラー04

    金属を主食としているとされる“磁力怪獣アントラー”。
    おそらくかつては、砂漠を行くキャラバン隊等を襲って食していたと思われますが、近年、航空機がその頭上を飛ぶことが増え、それを襲うことにより巨大化していったのではないかとボクは想像しています。

    「ウルトラマン」第3話「科特隊出撃せよ」に登場する“透明怪獣ネロンガ”も江戸時代にその出現が記録され、当時は“村井強衛門”なる侍に退治されたと劇中で語られています。
    これなども昔は“透明怪獣ネロンガ”の主食たる電気エネルギーが落雷程度でしか手に入らなかったため巨大化していませんでしたが、近代化の中で発電所ができ、そこからの電気を吸収することで巨大化したのではないと想像しています。ボクは。




    そんなわけでかどうかわかりませんが、巨大化した“磁力怪獣アントラー”は、砂漠の街・バラージの城郭に迫っていきます。

    アントラー05

    “磁力怪獣アントラー”のために、行商もルートを変え、行き来する人も絶えてしまったパラージの街。
    今度はの城郭も“磁力怪獣アントラー”により破壊されようとしています。

    アントラー06

    いよいよアントラーの大あごが宮殿の一角を捕らえました。
    今なら世界遺産に登録される(?)パラージ宮殿の最期を迎えるのでしょうか?

    アントラー07




    と、その時です。

    磁力怪獣アントラーが砂漠の空の向こうに青く光って飛行する物体を発見しました。

    その物体めがけてアントラーは七色の磁力光線を照射、青いく光る物体はしばらく抵抗していましたが、いよいよ抗しきれず砂漠に墜落。

    そこから“宇宙怪獣ベムラー”が現れました。

    アントラー08

    「ギャーオー!」
    「ガチッ!ガチッ!」

    砂漠に照り付ける太陽のもと、二大怪獣の激闘です。

    アントラー09

    “宇宙怪獣ベムラー”は口から青い熱線を吐きますが、あまつさえ硬い甲殻に覆われ、砂漠の日差しに慣れた“磁力怪獣アントラー”には効果がないようです。

    あっ、“磁力怪獣アントラー”の大あごが、“宇宙怪獣ベムラー”の細い体を捕らえました。

    近接戦になるとほとんど機能しない“宇宙怪獣ベムラー”の前足は役には立ちません。

    アントラー10

    「ガチッ!ガチッ!」
    「ギャー、ギャー…」
    「ガチッ!ガチッ!」

    断末魔の叫びをあげる“宇宙怪獣ベムラー”

    “磁力怪獣アントラー”の勝利です。

    ※本稿を書くにあたり「怪獣解剖図鑑」【朝日ソノラマ】の「砂漠の大決闘 アントラー ペギラ ベムラー」を参考にさせていただきました。




    さる8月15日、Fくんの新盆ということで、南樽太郎さんよどみかおるさんとボクの3人でFくんにお線香をあげてきました。

    その際、ご家族のご了承をいただき撮影してきたのが、こちら。
    Fくんが今から28年程前に、アンティークトイショップ(おそらく下北沢にある“甘辛人生劇場 懐かし屋”さんではなかったかしら)で購入した“磁力怪獣アントラー”

    アントラー11

    今は幽明境を異にすることとなってしまったFくん。

    でもこうして物を通してお話ができるような気がしています。

    アントラー12

    パラージの青い石を模したビー玉とバンダイのガシャポン“HGブルマァク魂”シリーズのアントラー(2種)。

    アントラー13

    いつかまた、こうしてみんなで遊びましょう!




    今回、参考にさせていただいたのはこちら。

    “磁力怪獣アントラー”の登場する第7話「パラージの青い石」が覚められているのはこちら。



    いつも参考にさせていただいている倉治隆さんの労作。



    そして怪獣の解剖図もさることながら、この本のみの怪獣同士の戦いが素敵な挿絵で描かれている本がこちら。



    上の本には「大復刻怪獣大図鑑」と名付けられた復刻版も出ています。
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    テーマ : ホビー・おもちゃ
    ジャンル : 趣味・実用

    tag : ウルトラマン レトロソフビ 怪獣

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    Author:黒江龍雄
    1/6フィギュア、怪獣・怪人ソフビ、軍装、国内外の映画、そして最近は「ガールズ&パンツァー」に夢中になっています。

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