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    「チャーチル給与~トブルク1942~」

    「イタリア軍将兵は意欲的で自己犠牲の精神に富み、前線における良き戦友であった」(1942.7.30 アフリカ装甲軍司令官・ドイツ陸軍元帥エルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメル:2000年「ロンメル語録」中央公論新社より)




    かつてのイタリア領リビアにある港湾都市トブルクは、開戦劈頭、イギリス軍により占領されてしまいトブルク奪回は在アフリカ枢軸軍の至上命令であった…。
    さらに、そのトブルクを再び手中にできれば、エジプト侵攻、ひいては、ロシア南方に展開する枢軸軍と手を握ることも不可能なことではなかった。




    1942年6月、在アフリカ枢軸軍による包囲網がひしひしと狭められていくトブルク周辺。
    イタリア海軍のサン・マルコ海兵聯隊もその攻撃の一翼を担い、一歩また一歩と敵陣に迫っていた。
    そんな中に、ひげ面の古参兵エンリコと若いマリオの姿もあった。

    SanMarco01.jpg




    「ようやく抵抗も止んだようだな…」
    とどめとばかりに、手にしたベレッタM38短期間銃の弾倉にあった最後の弾を撃ち尽くしたエンリコがつぶやく。
    敵が頑強に抵抗していたこの一角もイタリア軍の手に落ちたようだ。

    SanMarco02.jpg




    しばらくして…。

    「すごいや、ラム酒まである」
    戦利品を前に、マリオが思わず声を上げる。

    SanMarco03.jpg




    どうやらここは、数あるイギリス軍の拠点の一つだったようだ。
    このお宝には、古強者のエンリコも驚いた。
    「どうりで激しく抵抗するわけだ。それにしても…こりゃ何とも…」

    「いわゆる『チャーチル給与』って奴ですね、イギリスさん、包囲されてても持っているものは持っているんだなぁ」

    SanMarco04.jpg




    「チェッ」
    中身を検分していたエンリコが舌打ちをする。
    「イタリア製のワインがある、こりゃもともと俺たちのものだ」

    「喜んで損しましたねぇ」

    SanMarco05.jpg




    しかし、そんなのどかな時も長くは続かなかった。

    「砲声がしますね」

    マリオが不安そうにつぶやいた。

    SanMarco06.jpg




    「こっちの兵力が敵にばれたのじゃあるまいな…」
    エンリコは遠くに上がる黒煙を見上げる。

    SanMarco07.jpg




    やがて敵小銃の弾が壁に当たりだした。
    マリオもあわてて応戦する。

    SanMarco08.jpg




    「おい、背後に回られるぞ、援護しろっ」
    エンリコは何かに気がついたようだ。

    SanMarco09.jpg




    エンリコ達の裏手に、敵のクルセーダー巡航戦車が現れた。

    エンリコは“赤い悪魔”と称される手榴弾を固く握りしめた…。

    SanMarco10.jpg

    エンリコ達がトブルク入城を果たすのには、まだしばらくの時間がかかりそうだ。

    《おしまい》




    年末年始の休暇を利用して、フィギュアの写真を撮ってみました。
    最初は、このサン・マルコ海兵聯隊の兵士で2.3枚、撮るつもりでしたが、つい興に乗り、何枚か撮ってしまいましたので、ええい、ままよと、フォトストーリー風にまとめてみました。

    カーキ色のセーラー服が魅力のサン・マルコ聯隊の軍服、装備はTwisting Toysの同聯隊のものを使用しています。
    素体はドラゴンのものに変更しました。
    と、そこで問題が、Twisting Toysの素体はドラゴンのものより若干小さめなのです。特に頭と足が小さいので、ヘッドギアと靴が入りません。

    そこで、泣く泣く似たような別のものに変更しました。

    ヘルメットは、何とソビエト軍のもの。映画「戦争のはらわた」では、ソビエト軍のヘルメットの代わりに、イタリア軍のヘルメットを使用したと言いますから、今回は、その逆手をとってみました。(ま、単なる言い訳ですが)

    靴は茶色の編上靴と言うことで、アメリカ軍のものを使用しました。(あまりじっと見ないでください)

    「チャーチル給与」とは、イギリス軍が敗走(撤退?)する際に残していった物資のことで、日本軍がそう呼んでいました。枢軸のよしみで、そんな台詞を言わせていますが、当時のイタリア軍にそういう呼称があったかどうかはわかりません。

    で、今回の「チャーチル給与」の中身ですが、ドラゴンをはじめとする酒瓶が数本。
    マリオが手にするラム酒とリンゴはリーメントのものを使用しています。

    で、2人が持っているベレッタM38短期間銃は、何の気なしにドラゴン製の30連マガジンのものを使ってしまいましたが、イタリア軍研究の第一人者・吉川和篤氏によると、このサン・マルコ海兵聯隊の使用している弾薬ポーチですと、やはりTwisting Toys製の製品に付属の10連マガジンしか合わないようです。きちんとすれば良かった…(反省)。

    ということで、イタリア軍は奥が深いです。
    そんなイタリア軍について、詳しく書かれたのがこちらの本。
    タイトルこそ、入門となっていますが、決定版と言っていいのでは。

    イタリア軍入門 1939~1945―第二次大戦を駆け抜けたローマ帝国の末裔たち (ミリタリー選書)イタリア軍入門 1939~1945―第二次大戦を駆け抜けたローマ帝国の末裔たち (ミリタリー選書)
    (2006/03)
    吉川 和篤、山野 治夫 他

    商品詳細を見る


    おすすめです。
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    No title

    こんばんは。一枚一枚、画像がすばらしくって見飽きません。
    ミリタリーにも興味がわいてきました!!

    ありがとうございます

    >RIRIさん

    ご覧いただきありがとうございます。
    そう言っていただけると、年末年始、引きこもって撮影&画像加工していた甲斐があったというものです。

    ミリタリー関係はいろいろと考証があったりして、ちょっと敷居が高いかも知れませんが、ボクは昔の“お人形遊び”の感覚で楽しんでおります。

    RIRIさんの手による、RIRIさん流の解釈のミリフィグ世界がいつか見られるのを楽しみにしています。
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    Author:黒江龍雄
    1/6フィギュア、怪獣・怪人ソフビ、軍装、国内外の映画、そして最近は「ガールズ&パンツァー」に夢中になっています。

    よろしくお願いします。

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